アリコートシステム(Aliquot System)

 ジュリアス・ブリュートナーは、1878年にブリュートナーピアノにとって重要なアリコートシステムを開発し特許を取得しました。ブリュートナーの最高音セクションには通常ハンマーによって打たれる3本の弦に加え、共鳴効果を目的とした弦が張られています(モデル11を除く)。このアリコート弦はハンマーによって打弦された3本の弦から反動エネルギーを受け取って共鳴します。したがって、3本の弦とアリコート弦は、位相差をもって振動することになります。アリコート弦の調律方法によって、様々な効果を試みることができるでしょう。

※ Aliquot / アリコート (ラテン語) : もう一つの〜
               

Bass巻線


 低音にはミュージックワイヤーに銅線を巻きつけた巻線が使われます。ブリュートナーは芯線に6角形の断面を持つミュージックワイヤーを使用しています。芯線表面の角により銅線の巻きつけが全長にわたって確実となり、長期間の使用でも変わらぬ音色を維持することができます。


ブリュートナーのパテントアクション

 ジュリアス・ブリュートナーが開発したアクションは1945年頃まで採用されていました。

 このパテントアクションはピアノのアクション発達史において重要な位置を占めています。1853年の創業当時はウィーン式、イギリス式などのアクションが使われ、各メーカーがアクションの改良を行っていました。1821年にはフランスのエラール(Erard)がイギリス式アクションを改良してダブルエスケープメントの機能を持たせました。多くのメーカーがエラールのアクションへ移行する中、ブリュートナーが独自のアクションを開発した狙いは、ウィーン式の特徴である鍵盤とハンマーが直結していることによって得られる、指先が直接ハンマーをコントロールしているような感覚と、エラールのイギリス式が持つダブルエスケープメントによる素早い連打機能、双方の両立といえます。ブリュートナーはこのパテントアクションと他のアクションを要求に応じて使い分けていました。




≪ Back       構造上の特徴 -3-       Home ≫
ブリュートナー日本総代理店 泣sアノクリニックヨコヤマ