木材

 ブリュートナーピアノには厳選した数種類の木材を使用します。音を良く伝え、強度も併せ持つパイン材(Pine)をドイツ メクレンブルク(Mecklenburg)とチェコ モラヴィア地方(Moravia)から、優れた強度を持つ赤ブナ材(Red beech)をドイツの山脈から取り寄せています。そして、ブリュートナーピアノで最も質の高い木材を必要とするのが響板です。響板にはスプルース材(Spruce)を使用しますが、これはゆっくり、まっすぐ成長したものでなくてはなりません。この条件を満たすためにアルプス山脈の東側ルーマニアのブコヴィナ地方(Bucovina)とウラル山脈の東側で育つスプルースを使用します。また、木目仕上げには世界各地から美しい化粧板を取り寄せ、ピアノを芸術作品として仕上げます。

エイジング


 各地から取り寄せたピアノ用木材は、熟練職人の手により厳選され、約40%だけが次の工程へ進むことができます。厳選された木材をピアノに使用するためにはその含水率を13%になるまで乾燥させて軽くしなければなりません。現代の乾燥設備を使用すれば短期間で乾燥させることができるでしょう。しかし急速に乾燥させられた木材の繊維はその過程でダメージを受けてしまいます。

 ブリュートナー社では板材に加工した木材を屋外で約3年の時間をかけて乾燥させます。ここにかける時間が将来の品質と耐久性を保証するのです。屋外での乾燥を終えるとその状態を検査し、最終的にはこれまでの過程を経て全体の20%をピアノの材料として厳選します。その後、板材から切り出された各パーツをそれぞれ適した含水率8〜6%になるまで、コンピューター管理された乾燥室の中で1日あたり0.15%の割合で乾燥させます。

 製造過程において、厳選した木材が有効活用されるようにブリュートナー社は細心の注意を払います。板材からパーツを切り出す時に出る木屑の割合が極力少なくなるように計画します。ピアノに使用されなかった木材、かんな屑、工場内の細やかな木屑に至るまで一ケ所に集めて、厳しい冬の燃料として再利用します。

独創性


 創業者ジュリアス・ブリュートナー(Julius Bluthner)の独創的なアイデアは、今もアリコート・システム(Aliquot System)に見ることができます。アリコート・システムとは、高音域においてハンマーで打弦される3本の弦に、打弦されることのない1本の弦を追加した共鳴弦の構造です。このアリコート弦が打弦された弦に共鳴することで、ブリュートーナーのピアノに特有の暖かく豊かな響きがもたらされます。
 アリコート・システムは、パテントアクション(参照:パテントアクション)と共に、ブリュートナーの独創性の象徴とされています。
(参照:アリコートシステム)

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ブリュートナー日本総代理店 泣sアノクリニックヨコヤマ